確かな愛の物語①

女の子蔵馬ちゃん高校生編でございます。

前回同様、安易なタイトルで…恥ずかしいですが…(艸_・*)
でもやっぱり敢えてこのままで….。.:*♡




それでは女の子蔵馬ちゃんが大丈夫な方は追記よりどうぞ~(*´∇`*)


あ!ハードルは思いっきり下げてお読みくださいね(*´ω`*)ゞエヘ💦








確かな愛の物語①





まさか、と思った。
なんで、こいつがここに?

「飛影先輩!!!」

「何でお前がここにいる!?」




* ********

まるで合わせたかのように桜が満開となった本日、飛影の通う高校で入学式が行われる。
会場は教師と生徒会の役員達によって整えられ、壇上に活けられた花が新入生の登場を待っていた。


生徒会以外の生徒は教室で待機しており、式までの時間を適当に潰していた。


そんな二年生の教室の隅の一番後ろの席で、飛影は机にうつ伏せになって瞳を閉じていた。
そして彼の前の席にはいつもの顔、幽助。
これから来る新入生の噂をするクラスメイト達を静かに眺めている。


「なぁ、飛影、どうする?入学式出る?それともサボっちまうか?」
本来このような式典にサボるなんて選択肢は無い筈なのだが、この二人にはいつものこと。
もちろん、去年の自分達の入学式は出席はしたが、その後の終業式、始業式、卒業式、終了式は全てパス、である。
「どっちでも良い」
顔を上げることも無く、力なく答えるのは、彼が別の事を考えていたから。



あいつ…来なかったな…。


飛影は一年前に中学校の校門で別れた少女、蔵馬の事を考えていた。



中学時代の自分の初恋。
向こうも自分を想ってくれたのに、子供だった自分は素直になれず、受け入れることが出来なかった。

卒業式の後、涙を流しバラの花束を渡してきた蔵馬に、飛影は言ったのだ。

「一年後、俺の前に来い」と。

だが。


てっきり、あいつの卒業式の後か、今朝、ここの校門にいるかと思ったのに…。
もう、忘れたのだろうか…。


落胆を隠せない。

忘れようと決めた中三の夏。
忘れろと告げた冬。

無理だとわかった春。

そして始まった蔵馬のいない季節。
その彩の無い一年を、どうにか耐えた。

たった一年だけど、飛影にとっては長い一年。
その辛く長い日々の中で、蔵馬を好きだという気持ち、会えなくて寂しいという気持ち、今、蔵馬と共に過ごしているものへの嫉妬。
これらを認める強さは手に入れた。


今なら、あの頃よりましな自分を見せられる…のに。



正直、揺らぐときもあったのだけど。


高校生になった飛影は中学時代よりさらにモテた。
小柄だが小顔で整ったスタイルは意外と筋肉質で、スポーツも万能。勉強もこの学校ではかなりできる方でテストはいつも上位。
そしてこれは中学時代もそうだったが、無口で無愛想な部分はクールでカッコイイと、何人もの女生徒に告白された。

もちろん、その全てを断ってはいたが、時折ものすごく目の前の女生徒が綺麗に見えるときがあった。
別にその女子を好きなわけでもなく、蔵馬より綺麗だと思ったわけでもない。
性に目覚めたばかりの男子特有の、ただの衝動的な欲求だ。
そんなものが出ているときに目の前に自分を好きだという女子が現れたら…
うっかり手を出してしまいそうになるのも、致し方ないというもの。


実際は、すぐに蔵馬の顔が浮かび、瞬間、目の前にいた女生徒に興味は失せたのだが。


自分の中にあるそういった欲求にも上手く対処出来るようになった。



少しは自分も大人になれた。
それだけでも良しとするのか。


でも…

自分の隣に蔵馬はいないのに、花壇の花、ベンチ、教室の窓、校庭、空…校舎から見る全ての情景が蔵馬へと繋がって見える。
そんな場所で、あと二年過ごす事を考えると気が滅入る。



机にうつ伏せになり腕に埋めた顔を上げる気力さえ湧かない。

と、その時…

「おい…あれ、見てみろよ!」
「すっげぇ美人…誰だ?」
突然教室が響めきだした。

飛影の耳にも届くが、それでも顔を上げない。


「お…おい!飛影!!あれ…!!」
幽助の慌てふためくような声。
「おい!起きろって!!!」
「…ちっ…なんだ」
思いっきり眉間に皺を寄せてやっと顔を上げた飛影の耳に…




「先輩!!!!」

聞き覚えのある透き通るような綺麗な声が。
まさか…と、声のする方に目をやると…


冒頭よろしく、教室の入り口で蔵馬がここの制服を身に纏いこちらを見ていた。




********

「飛影先輩!!!」
その声と共に、クラス中の視線が飛影に注がれる。
本来注目されるのを嫌う飛影だが、そんなこと気にする余裕は無い。
茫然自失、だ。


そんな飛影に気付き、不思議そうに近付く蔵馬。
入る前に「すみません。失礼します。」と笑顔で会釈することを忘れずに。




ゆっくり笑顔で近付いてくる蔵馬がスローモーションの様に見えた。
相変わらずの綺麗な顔立ちと翡翠色の大きな瞳。
手足はすらりと伸び、また少し背も伸びた。
それに加えて腰まで伸びた紅くしなやかな髪が歩くたびに揺れ、大人の色香を演出していた。

ついこの前まで中学生だったとは思えない美少女の出現に、誰もが言葉を失っていた。
それは飛影も。


夢でも見ているのだろうか…。
なぜこいつがここの制服を着てるんだ?


「飛影先輩、浦飯先輩も、お久し振りです。」
一年前と変わらない、可愛く綺麗な笑顔。

クラスメイトはまだ騒いでいた。

「南野~!!お前やっぱりここに来たのか~!!」
飛影よりは軽い驚きだった幽助がいち早く返す。

「はい!式の前ですけど、待ちきれなくて来ちゃいました。またよろしくお願いします。」
満面の笑みでぺこりと礼儀正しく挨拶する蔵馬の姿に、周りから溜め息すら漏れた。
「しっかし、いきなり教室まで来るとことか、かわんねーな。お前も。
なぁ?飛影?」

「…。」
明るく話し掛ける幽助にも、無反応。

「飛影先輩?」
黙ったまま自分を凝視する飛影に蔵馬が再度声を掛ける。

その声にやっと覚醒した。


「み、南野?な…何でお前がここにいるんだ?!ここに入ったのか?」
飛影らしくないその狼狽えた言い方に蔵馬も驚く。だって、

「え?だ…だって先輩、ここに来たら私と付き合ってくれるって…。」
「!!!!!?????」

「んな…飛影!マジか?」
蔵馬の発言に驚愕する幽助。さらに響めき出す教室。
そんなことはどうでも良いといった面持ちで飛影を見詰める蔵馬。


どうにも耐えられなくなり…

「え?!せ…先輩?」
蔵馬の手を引いて教室を駆け出した。



直後、残された幽助にパパラッチのようにクラスメイトが詰め寄った。





蔵馬の手を引き、廊下を走る。生徒と何人かすれ違ったが気にしている場合ではない。
蔵馬の声も聞こえたが、知ったこっちゃない。

階段を駆け上がり、屋上へと続く誰もいない階段の、真ん中で止まった。
掴んでいた手を離す。

二人とも息が上がっている。
蔵馬は飛影に手を引かれ、そのスピードに付いていくのに必死だった為。
飛影は走る前から心拍数が上がっていた為。




「せ…先、輩…。あの…ど…うしたんですか…?」
整わない呼吸のまま、飛影の行動の意味を聞く。

どうしたもくそもあるか!と怒鳴りたいところだが、飛影もまだ息が荒く、それも出来ない。
だが、それが幸いして少し優しく言えた。
「どうしたじゃ…ないだろう。なんで…お前ここに?」

「ですから、先輩がああ仰ったから…。」

…あれはそういう意味ではない。
あくまで、一年後、俺と同じ高校生になったら顔を見せろ…ということだったんだが…。
寧ろああ言った方が自分の行きたい高校に行くかと思ったのだが。俺の言葉が足りなかったのか?
って言うか…こいつ…一体いくつランクを下げたんだ?


「ここはお前のような奴が来るところじゃないんだぞ」
「?」
「ここの学校のランクくらい判るだろう」
「あぁ、そういうことですか?勉強はどこでもできますよ。」

さも大したことではないというような言い方。

頭の良すぎる奴ってのはこういうもんなのか?

呆然とする飛影の顔に、蔵馬は不安が込み上がる。

「あ…あれは…同じ高校に来いって言う意味じゃなかったんですか…?」

当たり前だろう。
わざわざ俺に合わせて自分のランクをいくつも下げるなんて…。
よく親や担任が許したな…。


「で、でも私…先輩と同じ高校以外考えてなかったです…。」
呼吸は整ったが、代わりに声が震えだし…

「先輩と一緒にいられる…
この一年、それだけを励みに我慢してきたんです。」

大きな瞳から涙が溢れ出す。
宝石のような瞳から零れ落ちるそれもまた、宝石のようで…


あぁ…変わらないな…こいつは泣き顔でさえ綺麗だ…。



言葉が出ない。



自分に見惚れているなんて思わない蔵馬。
無言の飛影にさらに不安が募る。

確かに卒業式の日飛影に会いに来たら付き合ってやるとは言われたが、好きだとか言われたわけではない。
一年も経てば状況だって変わる。
「あの…もしかして…先輩、恋人とか…好きな方がいらっしゃるんですか…?」
声を震わせ飛影に問い掛けた。

「あ?」
突然のその見当違いな問いに半ば呆れたような声を上げる飛影。

「そうなら…私…ここにいちゃ迷惑ですよね…。」
今にも崩れ落ちそうなほどに落胆している蔵馬に飛影は小さな溜め息を零し、視線を落とした。


…本当に馬鹿な女だな…。
こんな俺の為に、こんなところにまで追い掛けてきて…。
そもそも、お前に好かれて迷惑に思う奴などいるわけが無いだろ。
俺だって…本当は初めから嬉しいと…思っていたんだ。

本当は…


ゆっくり顔を上げ、蔵馬を見据える飛影。


「先…ぱい…?」


本当は、
お前が欲しいと、何度も何度も、
思っていた…。

「す…きな奴は、今、目の前に…いる…から…」
少し瞳を伏せ、精一杯の、飛影の告白。

「え…」
今…先輩…なんて…?


「お前をこんなトコに入れた責任はとってやるよ。」
そう言って上げられた飛影の顔は、いつもの俺様な不敵な笑みで。
その彼らしい笑顔に蔵馬の鼓動が加速する。

そして…

「帰り、校門で待ってろよ。

…蔵馬…。」

「っっ…!!」

飛影から放たれた爆弾に、蔵馬の顔は一気に紅潮し、心臓が大きく跳ね上がった。



「じゃあな。お前も早く行け。式が始まるぞ。」
「はい…先輩…。」

固まる蔵馬をからかうように笑い、飛影は階段を下りて行った。


誰もいない初めての場所で、蔵馬は秘かにずっと握り締めていた左手を開ける。

窓から降り注ぐ春の日差しに照らされ、キラリと光る金ボタン。


不安と緊張を拭い去るように強く強く握られていたそれを、今度は優しく包み胸に当てた。











蔵馬の元から離れ教室へと向かっていた飛影。
少し歩き…小走りになり…走り出した。


そのまま駆け込んだのは教室…ではなく、
二階の男子トイレ。
誰も居ない静かな場所でしゃがみ込み頭を抱えた。


その顔は、首や耳まで真っ赤で。

「くそっ…」
自覚のある自分へ毒づく。

鼓動が激しくて、苦しいのに…
ちっとも嫌じゃない…懐かしい感覚。



赤い顔のまま右手を見詰めた。
去年は嫌悪感で一杯になった自分の右手。

でも今は…

掌に残る蔵馬の温もりが、素直に嬉しく、愛しささえ混み上がる。

一生離したくないと…
そんなことまで思ってしまった。



「くら、ま…。」
飛影の中に溢れ出る蔵馬への想い。
その想いを噛み締める様に小さく名を呼び、自分の手をぐっと握り締めた。








「新入生代表挨拶、南野蔵馬」

「はい」


体育館では入学式が滞りなく行われている。
今年の新入生代表はもちろん、蔵馬だ。
中学校に引き続き二度目の大役だが、今回は前回と違った緊張が走る。


どうしよう…。
先輩がここにいるかと思うと…
顔…赤くなったりしてないかな…。


歩く足も震えてる気がした。
うっかり転んだりしないように、足に力を入れて歩く。

そんな蔵馬の心中など知らないその他の生徒達は、壇上に向かう美少女に魅入っていた。

幽助も、そんな生徒たちの一人で
「な…なぁ飛影…あの子、めちゃめちゃ綺麗になったなぁ…。」
小声で飛影に話し掛ける。

「うるさい。黙ってろ。」

てっきりいつぞやのように「前からあんなもんだろ」なんて言うかと思ったのに。

飛影の言葉が幽助には綺麗になったことを認めたように聞こえ、こいつも少し素直になったな…と親友の成長を感じた。


先程飛影に会いに来た蔵馬を見ているクラスメイトは、飛影に好奇の視線を向けている。

その視線は痛いくらい感じていたが、蔵馬がここにいる嬉しさの方が勝ち、睨み付けることもせず、瞳を閉じ代表の言葉を述べる蔵馬の声に聞き入っていた。




蔵馬の、声。
さっきはじっくり聞けなかったが…やはり綺麗な声をしている。

外見も、もっと綺麗になっていたな。

でも俺を見詰める瞳は昔と変わらなかった。
また、俺に向けられるあの翡翠の色を見ることが出来るのか…。




蔵馬がここに居ることを、こんなにも素直に喜ぶことが出来る…。飛影自身もまた、自分の成長を感じていた。


正直、蔵馬を失う恐怖がなくなった訳じゃない。
未来永劫…なんて信じている訳でもない。

ただ、今の蔵馬をしっかり受け止めよう。
そして今の自分の力の限りで守って行こう。

その上で、蔵馬との未来を、ほんの少し思い描いてみよう。

自分が弱かったせいでたくさん泣かせた中学時代の三年分を、これから先、蔵馬が望む限り自分との時間で埋めてやりたい。




そんな決意と共に、今年の入学式は終わった。




続く.。.:*♡



゜*。,。*゜*。,。*゜*。,。*゜*。,。*゜*。,*゜*。,。*゜*。,。*




お疲れさまでございます~💦


甘ったるいですね!!
クサすぎですね!!( ̄▽ ̄;)
ご覧いただいた方、背中がむず痒くなっていらっしゃいませんか?(´Д`ι)アセアセ


いつもいつも小説をupするときはとてつもなく緊張してしているのですが…
今回の緊張感は半端なかったです💧初めて女の子蔵馬ちゃんのお話しを載せたときと同じくらい緊張しました(((*>д<*)))


何かもう…
取り敢えず文章力はさて置いて、自分で読んでも恥ずかしくなるくらいのクサすぎる文章の数々…(でも載せる)

でもですね!
飛影くんがどれだけ蔵馬ちゃんに恋い焦がれていたのか…それをどうにか表したくてですね…💧

そーするとこうなっちゃいました(o´罒`o)ニヒヒ♡


もぅいっそ初めから書き直しちゃおうかとも思ったのですが、一年前書いたそのままのノリを大切にしようと思い、ほぼそのままの状態です(^_^;)
決して小説が苦手で逃げたわけではないですよ?!(笑)



いつものように、甘っちょろくて稚拙な小説ではありますが、やっとこさ両想いになれたこの二人を暖かく見ていただけたら幸せでございます。


ご覧頂き有難うございました❀.(*´▽`*)❀.








拍手有難うございます~❀.(*´▽`*)❀.
めっちゃくちゃ嬉しいです!!
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プロフィール

舞彩

Author:舞彩
名前/舞彩(マイ)
生年月日/19××年2月3日
出身地/一番人口の少ない県
趣味/飛蔵(蔵飛も少々)のお絵描きやお話し作り。カラオケ。冬限定で編み物。ダイエット(悲しすぎる趣味)
好きなモノ/飛影と蔵馬!!
チョコレート。和菓子。メロンパン。カフェオレ。紅茶。通販雑誌(見るだけってやつ)
嫌いなモノ/カメムシ(殺虫剤で死なない恐ろしい虫!)、カエル、シイタケ、グリーンピース
幽白歴/約22年。昔と変わらず(それ以上?)今もこの作品、そして飛影と蔵馬を愛しています!

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