この世界が好きなのは(一応、飛蔵ミニ小説)

えぇと…これも飛蔵でも蔵飛でも良いような感じがするけど…。絡みがないからねぇ
まぁ一応飛蔵で考えた話なので飛蔵で。
ちょっと飛影が子供っぽいけど。


あと、小説と呼ぶにはあまりにも稚拙だと思いますが、そこは目を瞑ってくれたら嬉しいです。小説に手を出してまだ数ヵ月の素人なので…。
文才が欲しい…!




【この世界が好きなのは】

「いい加減にしろ!」

テーブルの上に置かれた美味しそうなお菓子を前に何やら不機嫌になった飛影。
おかしいな…甘いもの好きだから喜ぶと思ったのに。
「何がです?これ、美味しそうじゃない?貴方が好きそうだなぁと思って買ってきたのに。要らないの?」
「要るに決まってるだろ!」
ふんぞり返り当然と言わんばかりに言う。だったら…
「だったら何?ここのマフィン、人気なのに…。」
何やら怒る彼を尻目に紅茶をカップに注ぐ。紅茶の良い香りが部屋に広がっていく。だが飛影の機嫌は悪いままで、俺に指をさして怒鳴り続けた。
「それだ!」
「は?」
「これは何て食いもんだ?」
「何って…マフィン?」
「貴様この前似たようなやつをカップケーキと言ったぞ!」
そういえば先週、飛影が来たときチョコカップケーキを作って出した。美味しいと言ってあっという間に20個ものカップケーキを平らげた。
そうして俺に聞いてきた。「これは何て食い物だ?」と。
彼が何がモノを尋ねるのはそれが気に入ったとき。俺の作ったものだったからすごく嬉しかった事を思い出した。
そして余程気に入ってくれたのだろう、 カップケーキだと教えると、何度も復唱していた。その様は今思い出しても何だか可愛らしい。
「あぁそうだったね。でもまぁ気にすることないよ。似たようなものだから。」
可愛らしかった彼を思い浮かべ笑顔を溢し、紅茶を飛影に差し出してたしなめるように言う。
だがまだ納得いってないようだ。
大好きなはずの甘いものを前に仁王立ちをしてこちらを睨んでいる。
「似たようなものなら何故同じ言い方をしないんだ?人間界のやつらはなんだってわざわざいろんな言い方をするんだ!」
甘いものをスイーツと言ったり、この前は貴様流行っているとか言ってパンケーキとやらを出したな!あれはホットケーキじゃないのか?
クッキーかと思って食べてたらビスケットとか言いやがるし、あぁサブレとかもあったな!
ともかくせっかく覚えたのに次々出てきて収集がつかん!
似てるなら同じ呼び方で良いだろう!
俺を混乱させるな!



珍しく多弁になっている彼に不覚にも固まってしまった。飛影は飛影で一気に捲し立てたせいか、息が上がっている。
ふとテーブルを見る。
目の前に置かれたマフィンはよりにもよってチョコマフィンだ。
なるほど。彼はせっかく覚えた気に入った物の似て非なるものに混乱して怒っていたのか。
そしてきっと。

「それを何の抵抗もなく受け入れてやがる貴様にも腹が立つ!」

やっぱりね。
言うと思ったよ。
飛影は俺が人間界のルールを受け入れているような言動を取るといつも不機嫌になる。
きっと、自分と違う世界に居るという事実を突き付けられているような感覚になるんだろう。

でもね、
「そこが人間の素晴らしいところだと思わない?」
「?」
不可解だと言いたげな飛影に構わず言葉を繋げる。


「お菓子一つにしてもさ、次々新しいものができていくんだよ」
それに、同じようなものでもさ、ほんの少し呼び方を変えるだけで違うもになるなんて素敵じゃない?飛影の好きな物がどんどん増えていくって事でしょ?

俺たちからしてみたらほんの僅かしかない時間の中で、常に目新しさを求めて日々の生活を輝かしいモノにしてるんだよ。
俺がこの世界に留まるのはね、その変化を見ていたいからなんだ。そしてそれを貴方と楽しみたい。

「だからさ、そんな難しく考えないで取り敢えずこのマフィンを食べよう?貴方と食べたくて買ってきたんだよ。」

俺の説明にまだ腑に落ちない様子の飛影だったが、テーブルにつきマフィンにかぶり付く。
まだ眉間に険しさがあるが大好きな甘いものに少し表情が緩んだ。
「美味しいでしょ?」
「……あぁ……。」
素っ気ない返事の裏側に感じる喜びの色。そんな彼を見詰めながら俺もマフィンを口に運ぶ。
本来甘いものはあまり得意ではなかったんだけど…飛影と一緒に食べると美味しく感じる。


そうそう、大事なことを言ってなかった。
「飛影、貴方は俺の唯一だから。」
「は?」
口の回りにマフィンを付け、怪訝な顔でこちらを向く飛影にニッコリ微笑んで愛の言葉を紡ぐ。
「貴方に似た者なんて、この世にいない。いたとしても、俺には貴方だけだよ。ずっとずっとね。」
「なっ?…に…を言ってやがる。今さら…」
ほんの少し頬を赤らめ顔を背けもう一つマフィンを掴みかぶり付く飛影。
「ふふ…今さら?言わなくても判ってる?」
「うるさい!」
飛影に近付き擦り寄りながら茶化すと、更に赤くなって怒鳴る。でも、少しも恐怖など湧かない、どこか優しい声色。
飛影にピッタリ寄り添いながら、俺もマフィンを少しかじる。
口の中に広がる甘く優しい味。
今の雰囲気のようで何とも言えない幸福感が込み上げる。

「おい…食いにくいだろ。離れろ」
飛影の制止などお構い無しにそのまま手を伸ばして紅茶のカップを取り口に運んだ。
「美味しい…。ね?飛影?」
すぐ近くにある飛影の顔を除き込むと、またもや恥ずかしそうに顔を背けた。


あぁ…幸せだな…。


次々と新しい物が生まれるこの世界。
飛影は決して認めないだろうけど、彼の大好きな甘くて美味しいキラキラしたもので溢れている。
それを貴方に伝えたくて、一緒に楽しむ時間を過ごしたくて、俺はまた彼の好きな物を探して、時には作って、彼に差し出す。

価値のある財宝ばかりを狙い、一人で愛でていた盗賊時代よりよっぽど楽しい。



無数の物が溢れる小さな世界で、自分にとって唯一無二の存在と楽しむ、甘い甘い時間。

俺がこの世界に留まる理由。


end




長々と駄文を失礼しました。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

舞彩

Author:舞彩
名前/舞彩(マイ)
生年月日/19××年2月3日
出身地/一番人口の少ない県
趣味/飛蔵(蔵飛も少々)のお絵描きやお話し作り。カラオケ。冬限定で編み物。ダイエット(悲しすぎる趣味)
好きなモノ/飛影と蔵馬!!
チョコレート。和菓子。メロンパン。カフェオレ。紅茶。通販雑誌(見るだけってやつ)
嫌いなモノ/カメムシ(殺虫剤で死なない恐ろしい虫!)、カエル、シイタケ、グリーンピース
幽白歴/約22年。昔と変わらず(それ以上?)今もこの作品、そして飛影と蔵馬を愛しています!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
カテゴリ
本日までのお客様
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR