コンビニ愛・恋する瞳(落書きをいくつか追加しました~(^∇^)宜しければご覧くださいませ♪)



初詣帰りや連休中の客で賑やかな店内の中、蔵馬は青い顔でレジの前に立っていた。
それなりに客の対応は出来ているものの、その表情は固く、張り付いたような笑顔をしている。
今にも崩れ落ちそうな体を脚に力を込め必死に耐えていた。


こんなことなら、引き受けなければ良かった…。




蔵馬の思う『こんなこと』の、原因ともなった発端は、年末のある日のことだった。

「蔵馬、ちょっといいか?」

仕事を終え、タイムカードを押そうとしたところを店長である黄泉に呼び止められた。
「はい、何か?」


クリスマスに猫耳サンタ帽を自分に被せようと率先したのはこの黄泉だと他の店員に聞かされていた蔵馬は、幾分素っ気なく返事をした。
飛影に「カワイイ」と言われたのは嬉しかったが、あの帽子のせいでやらたとジロジロ見られたり、女に間違われて声を掛けられたりと散々だったのだ。

そんな蔵馬を黄泉は気に止めることもなく話を始めた。

「年明けなんだがな、お前元旦と二日休みになっていただろう?
昼間のバイトが一人急に辞めてしまってな…。すまんが、二日の昼間、出てくれないか?」

全く…年末年始の忙しいときに…。
ため息を吐きながらそう呟く黄泉の顔は本当に困っている様子で、本心は断ってやりたい気持ちで一杯ではあったが、シフトに関しては色々と融通を効かせてもらっているのもあり、蔵馬はこの申し出を受けることにした。
元旦は休みだし、母ともゆっくり新年を迎えられる。

そう思い、蔵馬は初めて昼間のレジに立ったのだ。


昼間は夜間とはまた違った忙しさがあり、初めは戸惑うこともあったが、それはそれで新鮮で楽しく、たまには昼間に仕事するのも良い…。
そう思っていたその矢先、思いもよらなかったことが起こった。


「いらっしゃいませ~」

店内に客が入るチャイムが鳴り、蔵馬は自動ドアの方へ視線を向け入ってきた客に向かって挨拶をした。

その視線の先にいたのは…。


連休中の飛影。


突然の想い人の登場に蔵馬の顔が綻ぶ。
休みのため、いつものスーツではない私服姿というのも、また嬉しい。

若干驚いた顔をしている飛影に、いつものように笑顔で挨拶をしようとした、その時だった。

「も~歩くの早いよ~」
自動ドアが再び開き、明るく可愛らしい女性が飛影に声を掛けてきた。

「お前が遅いんだ。」


「なによ~せっかちねぇ。」

飛影の友人であり雪菜の恋人である桑原に年始の挨拶を兼ねての宴会に呼ばれ、その前にちょっとコンビニへ…と寄ったこの二人。
だが、何も知らない蔵馬の目には仲の良い恋人同士にか見えず…。

蔵馬の表情は凍り付いた。
挨拶がしたいのに声が出てこない。

自分は今、どんな顔をしている?



そんな蔵馬の様子は飛影にもすぐに伝わった。
だが、よもやそれが自分の妹が原因であるとは思っておらず…怪訝な顔で蔵馬を見ていた。

「くら…」

蔵馬?
そう、声をかけようとした飛影だったが、支払いのために並んだ客によりそれは阻まれてしまい…

「雪菜!早くしろ。遅れるぞ。」

「はぁーい。」


(隙を見てあとで聞くか…)

夜とは勝手が違う店を幾分不便に思い、小さな溜め息を吐きながら飛影は妹と共に店の奥へと進んで行った。







他の客の対応をしながらチラリと二人を眺め、蔵馬は昼間の仕事を受けたことを激しく後悔した。

きっと彼女だ。
幽助から聞いた女性の雰囲気とよく似ている。
こんなことになるなら、断れば良かった…。
予測するべきだったんだ。
ここは飛影先生の生活圏内なんだから。


見たくなかった現実を突き付けられ、蔵馬は震える手を必死に抑え他の客の対応をする。

その間も聞こえる仲の良い二人の会話。

聞きたくなんてないのに全神経が耳に集中している。

「ねぇ、これも買って!あ!これも美味しそう~。」

「いい加減にしろ…。どれだけ喰うんだお前は…。」

「いいじゃん~。」

楽しそうな二人の様子が嫌でも耳に入ってくる。
店内には他にも客はいるのに、まるで飛影と雪菜がマイクでもつけているかのように蔵馬の耳に響いて聞こえた。

出来ることなら今すぐにでもここから逃げ出したかったが、客足の絶えない時間帯ではそれもできず。
レジに客が並んでない僅かな時間に雑用で気を落ち着けようにも、そんな余裕などなく、ただ俯き、エプロンをグッと握りしめこの苦痛の時間をやり過ごす以外、蔵馬には何も思い付かなかった。


早く…早く買い物を終えて欲しい。

祈るような思いで二人の様子を探る。

今はどうやらスイーツのコーナーにいるようだ。
彼女が何を食べようか迷っている。

「早く決めろ。遅くなるだろ…。」
先生の、声。
呆れたような、でも、すごく優しい声。

俺には決して向けられることのない…。

下を向いてたら泣きそうで。


蔵馬は覚悟を決めて顔を上げた。


そして…。
見て、しまった。
『彼女』を。
瞬間、彼女と目が合い、思わず顔を逸らす。
でも、脳裏には彼女の顔が焼き付いたまま。

キラキラと輝くような瞳でスイーツを見ていた彼女は、本当に綺麗な可愛らしい女性で。
自分が勝てる要素はどこにもなくて。

泣かないようにと上げた顔から今度は血の気が引いていく。

あぁ…。
もう、ダメだ…。
先生の前で笑える自信が無い。
それどころか、あの二人を前にして、普通の接客すら出来る自信も無い。

無理だ。耐えられない。
体調が悪いとでも言って少し下がらせてもらおう。


そんな事を考えていた、次の瞬間、 予想もしなかった言葉が蔵馬の耳に飛び込んできた 。

「ねえ兄さん、これも買って!!和真さんと食べるから。」


兄さん?
あの人…今、兄さんって、言った?

「全く…なんで俺が潰れ顔の分も買わなきゃいけないんだ…。」

「そんな言い方無いでしょ~?」

尚も楽しそうに話す二人は、カゴにその商品を追加して、呆然と二人を見詰めている蔵馬の元にやって来た。


「い、らっしゃいま…せ…。」
驚きで挨拶もしどろもどろ。

「お前…今日は一体どうした?」
いつもとは完全に様子の違う蔵馬に、飛影が心配そうに口を開いた。

「え…と、あの…。」
頭の整理がつかず言葉が出てこない。
飛影は黙って見詰めたまま蔵馬の言葉を待った。
すると、
「なぁに?兄さん知り合い?」
飛影の背後からひょっこり顔を出した雪菜が間に割って入ってきた。
「あぁ、教え子の…友人だ。」
少し面倒臭そうに答える飛影のとなりに並んだ、その顔を思わずまじまじと見てしまう。
大きな瞳に水色の長い髪。
肌はまるで雪のように白くて綺麗で。
近くで見るとさらに可愛らしいこの女性。

本当に兄妹(キョウダイ)なのだろうか…。
先生はカッコいいけど…本当に、似てない…。
いとこ、なんてオチもありそうで。

蔵馬はとっさに、素早く辺りを見回した。
店内に何人かの客はいるが、直ぐにレジに来そうな客はいない。

聞くなら今しか!

「あの、先生…。妹さん、ですか?」
カゴを受けとり商品を取り出しつつ、意を決して問い掛けた。

「ああ。そうだが…。
幽助から聞いてなかったのか。」

「幽助、ですか?」

「少し前に俺とこいつの事を誤解してからかってきやがってな…。俺が双子の妹だと言うと今度は大笑いしやがった。あいつの事だからお前にも面白おかしく話しているんじゃないかと思ったんだが。」

「ふ、たご、ですか?」
幽助が笑うのも無理はない。
こんなに似てない双子なんているのだろうか。
さすがの蔵馬も思わず抜けた声を上げた。
それに対し、わざとらしく眉間にシワを寄せ
「お前までソレか…。」
と、返す飛影。
でもその声は機嫌を悪くしている様子など微塵も感じさせない、優しいトーンで…
「あ…すみません…。でも俺も、先生の恋…人かと…思いました。」
思っていたことをそのまま伝えることができた。

「あぁ…。」
それでか。

蔵馬の言葉に合点がいった。

こいつも雪菜の事を誤解して、あんな顔をしていたのか…。
つまり、それは…妬いていたということか?

「よくあるのよね~間違えられること。」
思わず口元が緩みそうになったのを雪菜の声が制した。
妹の前で迂闊な事をするわけにはいかない。
兄の心配を他所に妹は話を続ける。
「いい迷惑よ。何年も独り身の兄さんと違って私には彼氏がいるのに。」

その言葉に蔵馬がピクリと反応をした。
ちらりと雪菜を見ると、こちらを見て笑ったような気がして…。

慌てて清算をする。
「あ…1558円のお買い上げでございます。」

「うるさいぞ雪菜!」
妹を睨みつつ飛影はいつもの黒い長財布から二千円を出し蔵馬に渡した。

「ホントの事でしょ~。」
笑いながらレジから離れていく雪菜を横目に、飛影にお釣りを渡し、袋に入れた商品を力無く手渡した。
なんだかいろんな事が起こりすぎて体がふわふわして落ち着かない。
もう悲しくもなんともないのに、呆然として笑顔も作れずにいた。


そんな蔵馬の様子を飛影は愛しそうに眺めていた。
どんな表情も、自分を好きな故。
そう思うと堪らなく嬉しかった。

「蔵馬…。」
だが、やはり最後はいつもの蔵馬の笑顔が見たくて…。
優しく呼び掛ける。

飛影の声にハッとし、蔵馬は視線をそちらに向けた。
「次のバイトはいつだ?」

「え…。明日の夜…です。」

「じゃあ、また明日…ここでな。」

「先生もお仕事で…?」

「いや。休みだが…来る。」
会いに、とは言えなかったが、蔵馬を喜ばすには充分な言葉で。

途端に笑顔が戻った。
そして、
「先生…今年も…よろしくお願いします。」

言いたかった言葉を言えた。

飛影も満足そうな顔をしているように見え、さらに嬉しさが増す。

「あぁ…。こっちもな。」
彼らしい短い返事を返すと、優しい笑みを浮かべながらドアの方へ向かい、仲の良い『兄妹』は店の外へと出て行った。

その笑顔は、雪菜に見せていたものとはやっぱり少し違う気がした。
どう違うのかは…上手く言葉に出来ないけど。
先程の沈んだ気持ちが嘘のように、蔵馬の心は暖かいもので満たされていた。


先生には今、恋人はいないんだ…。
だからって自分に可能性があるなんて思ってないけど…。
暫くは怯えずに好きでいられる。
明日も笑って先生に会える。


「いらっしゃいませ。有難うございます。」
復活した蔵馬は、いつもの営業スマイルを振り撒き、接客を再開した。




一方その頃、桑原の家へと向かっていた双子。

隣を歩く兄をちらりと見ながら雪菜は一人満足そうに笑っていた。
(良いこと発見~♪)
何やら可笑しな目でこちらをチラチラ見ている店員がいると思っていた。

その目は過去に何度か遭遇した女の子たちを思い出させた。

やたらとモテる似てない双子の兄を持つ雪菜は、今までに幾度となく誤解されてきた。
そんな誤解をした女の子達が自分を見詰めていた目に、よく似ていたのだ。
自分を通してこの兄を想い、 嫉妬や悲しみの色を帯びた、あの目に…。

そこで雪菜は自分の仮定を確かなものにするべく、聞こえるようにわざと言葉にしてみたのだ。
「兄さん」
と。

その後の蔵馬の反応は予想通りで。
兄に恋をしているのだと、確信した。

男の子だということは判っていたが、その姿や雰囲気は、今まで見てきたどんな女の子より可愛くて…。
つい喜ばせてあげたくなり、兄には何年も恋人がいないことも言ってしまった。

そのときの反応も、予想通り。

何とも可愛らしい恋をする男の子。
応援したくもなるというものだ。

そしてこの兄もきっと…。

「ねぇ、兄さん。あのカワイイ店員さん…。」

「な、んだ?」

「あの子、兄さんばかり見てたね。」

「は?!;」

(判りやす~い♪)

兄をからかう材料が出来たことが嬉しいのか、雪菜は幽助と同じような悪~い笑みを浮かべ、困惑する兄と共に桑原の元へ急いだ。


end




。+.。゚:;。+゚+。::゚。:.゚。+。。+.。゚:;。+゚+。::゚。:.゚。+。


お疲れ様でございます~(*^-^*)


はぁぁぁぁやっと…。やっとです;
やっと蔵馬くんの誤解を解いてあげられました~(^∇^)

年明けに必ず解いてあげよう!と思っていたのですが、どうにか出来てホッとしております。

まぁ文章力の無さだったり、 蔵馬くんの女々しさだったり、 他の店員が一切出てこない上に、実際にはレジの前であんな長く会話なんて出来ないだろ!というリアリティーの無さだったり…いろいろ問題はあるとは思いますが;
目を瞑って頂けたら嬉しいです~(^_^;)


さぁ!飛影先生がフリーだと判った蔵馬くん。
これからどうする?
アタックしちゃう?
バレンタインもあるよ!チョコあげちゃう?(*´艸`)キャ

蔵馬くんには無理かなぁ~( ̄▽ ̄;)

いやいや、頑張れ!
私も頑張るよ!!




ここまでお読み下さいまして本当に有難うございました~(p*''∀`*q)




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

コメント御礼♪

☆はるさま
お子様、七草粥お好きなんですか?
いいなぁ~。
我が家はとくに次男がダメで…「この草みたいのヤダ~。」と言ってなかなか食べてくれませんでした(+_+)まぁ確かに、草だけど…(^_^;)頂き物のカニ缶も入れてちょっと豪華な七草粥にしたのに…。贅沢者め!
確かに、蔵馬さんお粥は色んな薬草が入ってそうですよね!
食べたくなくても蔵馬さんの「あ~ん」を前にすると、きっと拒めないだろうし!!
飛影はおいそれと風邪も引けませんね(笑)
お絵描き、私ももっと上手くなりたいものです…(´・ω・`;)
頭に思い浮かべたものを絵に出来ないのがなんとも歯痒い!!
このままではいつまで経ってもエロが描けない!;
デッサン集を無駄にしないように練習に励みたいと思います!(^_^;)
お互い頑張りましょうね♪

コメント有難うございました~!



☆みつきさま
コメント有難うございます!(。>∀<。)
甘えんぼ飛影(笑)…楽しんで頂けて嬉しいです~ (*´ω`*)ゞエヘ
普段は(かなり)年上の伝説の盗賊である蔵馬さんに対し、めちゃめちゃカッコつけて余裕でいたい飛影だと思うんですけど…たまには年若い男らしく、甘えてみても…なんて思いまして(*^-^*)
そんな飛影に蔵馬さんがきゅんっとしてくれてると私としては堪らない…(*ノωノ)キャッ

七草粥、蔵馬さんだと違った七草が入っててもおかしくないですよね!
魔界の七草粥…。
食べるとどうなるのかしら?
いっそ催淫効果のある薬草を間違えて入れたお粥でも作ってしまえば良いのに!(笑)
七草(媚薬)粥( 艸`*)ププッ
『無病息災』に『夫婦円満』も加わることでしょう!
なんてね(*^-^*)

失礼しました~( ̄▽ ̄;)






拍手有難うございます~(^∇^)
むっちゃくちゃ嬉しいです~。+⌒Y⌒Yヾ(*>∀<)ノヒャッホ-ィ
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プロフィール

舞彩

Author:舞彩
名前/舞彩(マイ)
生年月日/19××年2月3日
出身地/一番人口の少ない県
趣味/飛蔵(蔵飛も少々)のお絵描きやお話し作り。カラオケ。冬限定で編み物。ダイエット(悲しすぎる趣味)
好きなモノ/飛影と蔵馬!!
チョコレート。和菓子。メロンパン。カフェオレ。紅茶。通販雑誌(見るだけってやつ)
嫌いなモノ/カメムシ(殺虫剤で死なない恐ろしい虫!)、カエル、シイタケ、グリーンピース
幽白歴/約22年。昔と変わらず(それ以上?)今もこの作品、そして飛影と蔵馬を愛しています!

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