小さな恋の物語・第一章 act.3 約束と確信


またもや女の子蔵馬ちゃんのお話です;

本当はコンビニの蔵馬くんの続きを載せたかったのですが、まだもう少しかかりそうなので出来上がっているこちらを先に…(^_^;)


いつも通り、ベタベタな甘いお話です。
そして、これもまたいつも通り文章力も甘いですが… ( 艸`*)ププッ
温かい目でご覧くださいね☆


それでは、女の子蔵馬ちゃんwelcomeな方は追記よりどうぞ~(*^-^*)









『約束と確信』

飛影と話をしたあの日から三週間程が経った。

クラスにもだいぶ慣れ、新しい友達も何人かでき、まずまずの学校生活だった。

部活動はぼたんはバレー部に入った。
蔵馬も誘われたが、悩んだ末に園芸部を自分で創り自分一人で運営することにした。
一人での活動は大変ではあったが、元々植物は大好きだし、学校の花壇に自分が植えた花をどこかで飛影が見てくれるかも…なんて考えたら苦ではなかった。

飛影が何かの部に所属しているのであれば、同じ部に入部を…などと不順なことも考えたが、どうやら彼は部活動には熱心ではないらしく、校則により何かの部には入ってるらしいのだが、それが何部なのか判らなかった。

部活動以外の普段の学校生活で上級生と関わることはほとんどない。まして彼はまともに朝から登校するような生徒ではないため校内で偶然すれ違う…なんてこともほぼない。

唯一飛影の姿を見れるのは二年の体育の授業だった。
毎回参加しているわけではなさそうだったが、それでも何度かグラウンドを走る姿を見ることが出来、ぼたんから窓際の席を譲ってもらえて本当によかったと思った。(その代わり、一週間分の宿題を手伝うことにはなったが…)

そんな体育での様子から、飛影がスポーツ万能であることが判ったりと、その少しずつ得られる自分で見つけた飛影の情報もたまらなく嬉しいもので…。

あれから飛影との接触はゼロではあったが、それでも全然構わないと思えるほど蔵馬の心は『飛影を想う幸せ』で満ちていた。





「蔵馬~!どこ行くの?」
昼休憩、女生徒達がグループを作り楽しそうに雑談する中、教室から出て行く蔵馬の姿を見たぼたんが声を掛けた。

「花壇のサイズを測ってくるの。草取りもだいぶ終わったからそろそろ何か植えようと思って。」
笑顔でそう返すと足早に教室を出た。



学校にはわりと沢山の花壇があったが、教師たちが使う表玄関以外の花壇はあまり手入れもされておらず、折角の花壇が無駄になっている有様だった。
その荒れている花壇やその周辺の草取りも一人でしていたため、花を植えれるようになるまで思ったより時間が掛かってしまったのだ。

今日は放課後、顧問になってくれた担任のコエンマにどれだけの花や種を買うのかの報告をしようと思っており、これから大まかな花壇のサイズを測る予定だった。



中庭、プール脇、運動部の更衣室の横、校庭の角、それぞれ測って回り、最後は裏庭。

裏庭は滅多に人の来ないひっそりとした場所だった。
それ故時折女の子が男子生徒に告白するポイントになっていると聞いたが、それにしてはムードのかけらもない雰囲気だった。

せっかく大きな花壇とベンチがあるのに、勿体ない。
でも人があまり来ないならいっそここを一番のお気に入りの場所にしよう。

そう考えたら何だかわくわくした。
そんな弾む気持ちのまま裏庭へ進み、校舎の角を曲がり花壇の方へ視線をやる…。
そこで…

心臓が止まりそうになった。


ひっそりとした花壇の脇にあるベンチに横になり、気持ち良さそうに寝ている男子生徒が…。

「ひ…飛影先輩…。」

その声に気付いた飛影が目を開けてこちらを見る。

「なんだ…お前か…。」
眠そうな声でポツリと呟いた。

「あ…あの…すみません…起こしちゃいました?」

「お前…俺に謝ってばかりだな…。」
申し訳なさそうに謝る蔵馬に飛影の口元が緩んだ。


その表情に蔵馬の心臓がきゅう~っと締め付けられる。

「あの…あの…すみません…あ…。」
動揺でまた謝ってしまい、顔が真っ赤になっているのが自分でも判った。

「変なやつ…。」

飛影はうっすらと笑いながらそう言うとゆっくりと起き上がり、ベンチに腰をかけ蔵馬の方へ顔を向けた。



あ…また笑った…。

蔵馬の心臓がドクドクと煩く鳴り響く。


どうしよう…まさかこんなところで会えるなんて思わなかったから…心の準備が出来てない…。
もっと近くに行って何か話したいのに…。



「お前…何しにここに来た?」
顔を真っ赤にして全く動かない蔵馬を不思議に思ったのか、珍しく飛影から問い掛けた。

その声にハッと我に返る。

「あ…あの…私、花壇のサイズを…測りに来たんです。」
手に持っているメジャーを飛影に見せるように動かしながら説明をしたが、飛影の怪訝な表情は変わらず、ますます判らないといった感じだった。

「私、部活…園芸部で、花壇で色々花を育てたくて…それで…。」
緊張で覚束ない口調でさらに説明を続ける蔵馬。

「園芸部?そんなのうちにあったか?」
部活動には興味のない飛影だったが、一年間学校にいて一度も聞いたことのない部活名に思わず聞き返す。


「あ…私が先生に頼んで作ってもらったんです。せっかくたくさん花壇があるのにもったいないなぁって…思いまして…。」
少し落ち着いてきたのか、まともに話せている自分にほっとした。

「わざわざ創ったのか?」

心底驚いた様子で話しかけてくるが、それも何だか興味を持ってくれているみたいで嬉しい。
自然と笑みがこぼれる。

「はい、だからまだ部員は私だけなんです。でもその分好きに出来て楽しいですよ。」
笑顔で答えると「物好きな奴だな」と少し呆れたように返してきた。でもちっとも嫌な感じはしなくて…。

「それで…お邪魔じゃなければ…測らせてもらってもいいですか?」
本来の目的を果たすべく、先客に断りを入れた。

「構わん…。」と、短い、なんとも彼らしい了承の言葉になんだか心が温かくなり、蔵馬はにっこり微笑むとゆっくり花壇の方へ進んでいった。







* *********
ベンチの背にもたれ掛かり、飛影は横目で計測をする蔵馬を見る。
メジャーを出し計測をして、持っていたメモ帳に書いている。思いのほか真剣な表情に思わずまた質問が出た。

「そこに何を植えるつもりだ?」
ぱぁっと嬉しそうに顔を上げた蔵馬に心がざわつく。
鼓動がやけに耳について落ち着かない気分だった。


「えっと…ここにはバラを植えたいなぁって思ってます。一番好きなので…。」

「一番好きな花をこんな誰も来ない場所に植えるのか?」
またの問いかけに飛影は今度こそ本気で戸惑った。
今までこんなに他人に質問したことなどない。他人にそこまで興味を持ったこともなかったからだ。

なのに。

このほんの数分の間に自分は何度この一年生に問いかけただろう。
自分は本当にどうしてしまったのか。

自分で自分のことが判らない…こんなことは初めての経験で戸惑いを隠せず、飛影は視線を足元に落とした。


そんな飛影を余所に蔵馬は嬉しそうに答える。

「誰も来なさそうな場所なので…いっそ私のお気に入りの場所にしようかなぁと思いまして。先輩はよくここに来られるんですか?」

「今日みたいに天気の良い暖かい日にたまに来るぐらいだが…。」

その言葉にちょっぴり申し訳なさそうに「バラ…植えてもいいですか?」と聞いてきた。

どうやら先客である自分に遠慮しているようだ。

「別にここは俺だけの場所じゃない。好きにすればいいだろう?」
横目で蔵馬を見つつそう答えるとまた嬉しそうに微笑む。
その笑顔がまるで花のよう…なんて柄にもないことを思いかけ、頭を振る。

何考えてんだ…俺は…。
馬鹿じゃないのか…。

自分自身に呆れる。

これじゃクラスで騒いでいたあの馬鹿共と同レベルじゃないか…。

飛影は自分のそんな訳の判らない感情を追い出すように、深い溜め息を吐いた。


そんな様子を不思議そうに眺めていた蔵馬がすっと立ち上がり、持っていたメジャーとメモ帳をスカートのポケットに入れ、シャーペンを胸ポケットに差した。

どうやら計測は終わったらしい。

だが、蔵馬は一向に立ち去ろうとしない。

見れば何か言いたそうに下を向きモジモジしている。

酷く心が落ち着かず、早くやり取りを終えたいのに、やっぱり冷たくすることは何故か出来なくて…。
「どうした。まだ何かあるのか?」
挙げ句、助け船を出してしまう始末。



「あの…一つ聞いても良いですか?」
ホッとしたような表情を見せながらも、躊躇いがちに聞いてくるその声に、何を聞かれるのか思わず身構える。

「なんだ」

「あの…先輩はいつもどこから学校に入られてるんですか?」
意外な質問に驚いた。
それを聞いて一体どうするつもりなのか。答えに困り黙ったままでいると蔵馬は酷く慌てて言葉を繋げた。

「いえ…!あの私別に注意するつもりとか先生に言いつけるつもりじゃないんです!待ち伏せしようとかも思ってません!!ただ…あの、一度…先輩におはようございますって言いたくて…。」

別にこいつが教師にチクったり待ち伏せをしたりするんじゃ…なんて飛影は微塵も思わなかったのだが、次に出て来た言葉はもっと不可解だった。

「…俺に…挨拶がしたいのか?」
訳が判らない。一体何のために…。

「はい…あの…私まだ先輩にちゃんとご挨拶したことがなかったなぁって…思って…。
いつも心の準備が出来てなくて…謝ってばかりで…。
場所が判ったら…通りかかったときとか見てたらいつか会えるんじゃないかと…
あ…ごめんなさい…。これじゃ待ち伏せと同じですね…。」

自分でも何が言いたいのかよく判らなくなっているのであろう、しどろもどろに話し、またもや申し訳なさそうに謝る姿に何だかおかしくなり…

「一度…だな?」

思わず言ってしまった。


「え…?」

「いつも授業が始まってから来るから、裏のフェンスを乗り越えて入るんだが…明日だけ時間通りに正門から入ってやる。そんなに挨拶がしたければ来ればいいだろ。」

そう告げると飛影は立ち上がり、真っ赤になって固まっている蔵馬を横目に通り過ぎた。

「一度、だけだぞ」と付け加えて…。






* ************
その日の午後は授業なんて頭に入らなかった。

たった数十分の昼休憩の間にいろんなことがありすぎて蔵馬の頭はパンク寸前だった。


先輩があんな事を言ってくれるなんて …。
思ってもみなかった…。

ホントにただ、一度で良いから…登校してきた先輩に挨拶してみたいって思っただけなんだけど…。

まさか…時間通りに正門から来てくれるなんて…。
私のため…だよね……?

少しでも気にして貰えてるのかな…。

判らないけど…。
すごく、嬉しい…。

でもどうしよう…私…上手く言えるかな…。

とりあえず…明日は髪を念入りにブローしよう…。


そんなことばかり考え、午後の授業を上の空で過ごした蔵馬は、教師に当てられるも問いに答えられない…というらしくない行いを三度もしてしまい、挙げ句どうしたんだと心配され保健室へ行くよう促される始末だった。


落ち着け、私!!


心配そうにこちらをみるぼたんの視線を感じながら蔵馬は自分に渇を入れるように心で唱えた。









翌日、蔵馬は入学二日目と同じように一番に教室に来た。
窓際の自分の席に座り、じっと窓の外を見る。

10分…20分…30分…徐々に生徒が増える。その間ぼたんが来て、窓の外をじっと見つめ微動だにしない蔵馬にどうしたのか問いかける。
蔵馬は「内緒にしてね」と昨日の経緯を話した。その間も視線は外に向けられたまま。  
「へ~昨日そんな事があったんだ。蔵馬がボ~っとしてるから心配してたんだよ。先輩とお話できてよかったね。」
と、ぼたんが言った直後、

「き…来た…!!」
蔵馬が立ち上がる。
ぼたんも立ち上がり、蔵馬が見ている方向へ視線をやる。
「え?!あ!ホントだ!!嘘みたい!!」
騒ぐ女の子二人の様子は、幸い騒がしい教室にかき消されている。

「どうしよう…ぼたんちゃん…。」
「どうしようじゃないでしょ。自分からお願いしたくせに。」

呆れ顔のぼたんに「そうだね…行ってくる。ね、今日の私、ヘンじゃない?」と早口で聞く。

何時もどおり可愛いよ。の言葉に少し照れたように「ありがと」と告げ、蔵馬は急いで教室を出た。


途中何度か躓きそうになりながら、玄関へ急ぐ。
下駄箱が見えた。

ゆっくりと呼吸を整え二年生の場所に近付く。
そこには今上履きに履き替えた飛影の姿が。

自分に気付いた飛影と目が合った。
早まる鼓動を抑えるように胸に手を当て…

「先輩、おはようございます!」
自分なりの精一杯の笑顔で挨拶をした。


その満面の笑みの挨拶に気後れした飛影だったが…
「……はよ…。」
すぐに何時もの顔に戻り、少し照れたように挨拶を返してくれた。

それはすごくすごく小さな声ではあったけれど…蔵馬には充分過ぎるものだった。


嬉しくて嬉しくて…
胸が一杯で…。

締め付けられるように苦しくて苦しくて…。

涙が込み上げてきそうになった。



そんな蔵馬の様子に戸惑いの表情を浮かべながらも
「これで満足か?」
いつものように素っ気なく言い放つ飛影。

それでも、

「はい、ありがとうございました。」
そういう蔵馬の顔は本当に嬉しそうで…。

「変な女…。」
飛影はうっすら笑いながらそう呟くと、踵を返し階段の方へ歩いていった。




飛影の後姿を見送ると、蔵馬は大きく息を吐き、鼓動を落ち着けた。



そして胸の奥で感じた、確かな予感。



私、きっと、もっともっと先輩のことが好きになる。





続く



◆◆◆◆◆◆◆◆

後書き…


長いね…( ̄▽ ̄;)

すんません…;下手なくせにダラダラと…。
あと、蔵馬視点と飛影視点が交互にあって判りづらかったかもしれませんね…;
一応 *で区切ってはみましたが…。
小説って本当に難しいなぁ…(-_-;)


拙い文章ではありますが、蔵馬ちゃんの飛影に対する一生懸命な想いが少しでもお伝えできたらと思います。


因みに、園芸部を一人で運営する…というやつは、私の中学時代の友人をヒントにしました(*^-^*)
彼女もいつも一人でせっせと頑張って花壇を整えていましたね。
私も時々お喋りしながら一緒にしたり…。楽しい時間でした♪




ここまでお読みいただいて本当に有難うございました~(*´∀`*)





拍手有難うございます~!!
幸せいっぱいです ヽ(*''▽''*)ノ
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プロフィール

舞彩

Author:舞彩
名前/舞彩(マイ)
生年月日/19××年2月3日
出身地/一番人口の少ない県
趣味/飛蔵(蔵飛も少々)のお絵描きやお話し作り。カラオケ。冬限定で編み物。ダイエット(悲しすぎる趣味)
好きなモノ/飛影と蔵馬!!
チョコレート。和菓子。メロンパン。カフェオレ。紅茶。通販雑誌(見るだけってやつ)
嫌いなモノ/カメムシ(殺虫剤で死なない恐ろしい虫!)、カエル、シイタケ、グリーンピース
幽白歴/約22年。昔と変わらず(それ以上?)今もこの作品、そして飛影と蔵馬を愛しています!

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