コンビニ愛(溢れた想いの後…飛影の場合。)

昨日はなかなか眠れなかった…。



大きな欠伸を一つしながら飛影は職員室へと入った。
荷物をデスクへ置き、腰を掛け目頭をぐっと押さえる。


この歳になってまさか誰かの事を考えて寝付けない日が来るなど、思いもしなかった。
いや、この歳もへったくれも…今までこんなことなど無かったのだが。


今日はもう一日自習にしてやろうか…。

あまりの眠気に良からぬ事を考える。


職員室での朝礼を終えると、眠い目を擦り、自分が担任を勤めるクラスへと向かった。窓から差し込む日の光がやけに目に染みて頭が痛い。

そして、こんな状態の今でさえ、頭の中には蔵馬がいるという事実に呆れてしまう。
自分は本当にどうしてしまったのか…。
あんな子供にハマるなんて思わなかった。
ほんの少し、気に入っていただけなのに。
あの笑顔と言葉に少し癒されていただけなのに。

数学のように、答えを出してそれで終わりだったら…どんなに楽だろう。
心の問題は、数字より遥かに難しく、そして解けてからもまた、苦しいものだった。

やっとの思いで導き出し、自身で認めた飛影にとっての答え。
なのにその答えが正しくないものではないという事実。



飛影の顔に苦渋の色が浮かぶ。



そんな、爽やかな朝に相応しくない面持ちをしている飛影に突如掛かる、元気で明るい声。
「よお~飛影!昨日はわりぃ!鈴木帰してくれてサンキューな!」
この寝不足と苦悩の原因とも取れる人物の登場に只でさえ愛想の悪い顔が更に悪くなる。
「んな顔すんなよ。今日は大人しく補習受けるからよ~。」
余程昨日は良いことがあったとみえ、いつもに比べてやたらと素直な幽助だが、飛影は対照的に機嫌が悪い。
「当たり前だ!他校の生徒まで巻き込みやがって…覚悟しろ!」
昨日の出来事を思い出し思わず口調が荒くなる。
そして、飛影のその言葉に幽助も昨日の蔵馬の言動を思い出した。
ここ最近疑問に思ってた事を聞いてみる。

「飛影よ~蔵馬に何したんだよ。」

「?!」
どストレートな質問に飛影の心臓が跳ね上がった。


何って何だ?!
何ができるというのだ!

「…どういう意味だ。」

動揺を幽助に悟られないように静かに返した。


「あ?いや、アイツよ、昔っから頭良くて口も達者でさぁ、ポーカーフェイスっつーの?もお手の物でよ、嘘吐くのもめっちゃ上手かったんだぜ。」



「まぁ嘘っつーか、アイツが言うと嘘もホントになるっつーの?教師からの信頼度が半端ねぇからよ。まぁ、根が真面目だから滅多に悪さはしねーんだけどな。


幽助の語る『蔵馬』
自分の前での蔵馬とのあまりの違いに、飛影はただ驚くばかりで…。
俄には信じがたいものだった。

アイツが?
嘘が上手い?あれでか?

ポーカーフェイス?

あんなにクルクル表情を変える奴が?



驚く飛影を他所に幽助は蔵馬の話を続ける。
「昨日みたく俺がヤバイときは間に入って先コーを丸め込んだりしてくれたのによ。最近真面目に磨きが掛かったっつーか、ゆーずーが効かねーっつーか、数学が好きすぎっつーか…。


お陰で数学絡みでアイツに迂闊なこと頼めなくなっちまったぜ。何したんだよ!何かべんきょーのコツでも教えて恩売ったんか?」

まさか自分の親友が飛影に惚れているなど微塵も思っていない幽助。
どうして蔵馬がかつてのように上手く教師の前で振る舞えなかったのか、ただ単純にその理由を知りたいだけのようだ。

「…知るか…。アイツはお前と違って進学校に通ってるんだ。いつまでも昔のままで良いわけないだろ。」

幽助の鈍さに幾分感謝して答えた。

「ま、そーか。でもアイツ、飛影の事やたらそんけーしてるぜ。俺じゃなくて蔵馬にべんきょー教えてやれば良いのによ~」

…それが出来るならいくらでもしてやりたい。この学校のどの生徒より教え甲斐があるだろう。
だが、
「…そうはいくか。お仕置きも含めて今日から三日間みっちりやるぞ。」

心の内を見せずに幽助にそう告げた。

「うげっ;
まぁいっかぁ昨日は助かったしな♪じゃあな~」


呆れるほど明るく立ち去っていく幽助の後ろ姿を眺めながら、飛影は幽助の語った蔵馬の事をもう一度考えていた。



これは一体どういうことだろうか…。
俺の目に映るアイツは…嘘の吐けない、馬鹿正直なヤツに見えたが…。


昨日の言葉が蘇る。

『飛影先生にだけは…』


俺に対してだけ、そう、なのか…?

あの電話での緊張した声も、下手くそな嘘も、狼狽えたあの声も、全て相手が俺だったから、か?

そして、コンビニで見せる…感情が判りすぎる、あの顔も…?


「……。」

飛影の顔がみるみる赤く染まる。
幸い廊下には誰もいなかったが、見られないよう俯き窓の外に視線を向けた。

幽助の話から導き出した、自分の前だけの『蔵馬』
その事実が、嬉しくて堪らない。
飛影の胸に込み上がる、愛しさとも言える感情。
生まれて初めての経験に自分自身に酷く驚いた。


それと同時に、だからこそ迂闊なことは出来ないと自分に言い聞かせる。

もし、自分のこの気持ちが蔵馬に伝わってしまったら、きっと今までにない最高の笑顔を見せてくるに違いない。
そしてそんな顔を見てしまったら…今度こそ自分を抑えられる自信がない。



飛影は掌をぐっと握り締めた。
自身を戒めるように、強く。


…自分は教師で、大人だ。
ここは自分が感情を隠し、欲を抑えるしかない。

お互いの気持ちが判ったところで、突き進んで良いということにはならないのだから。



「早い話…あのコンビニに行かなきゃ良いんだがな…。」

誰に言うでもなくそう呟くと、飛影は握り締めていた手をゆっくりと開いた。
掌に残る爪の跡。

飛影はその頼りない戒めの跡を暫し見詰めると、自嘲気味な笑みを浮かべながら廊下を進んで行った。



校内に鳴り響く始業を告げるチャイム。

「取り合えず、裏切っては無いようだ…。

再びそう呟く自分の中に歓びの感情を確認し、そしてまた深く呆れながら教室へと急いだ。









◆◆◆◆◆◆◆◆
一夜明けて…飛影の様子でした(^_^;)

ホントにだらだらと…スミマセン;
でも、蔵馬くんがあんなに素直で嘘が吐けないのは相手が飛影先生だから…ってことはどうしても書きたくて…というか、飛影先生に認識させたくて…。
ちょっと書いてみました。


蔵馬くんと同じように悩みながら、そして蔵馬くんの気持ちを喜んでしまう自分に呆れつつもやっぱりコンビニには行ってしまう、どこか情けない飛影先生です(^_^;)


でもですね、大人の男だって本気の恋をする事もあるし、それでうじうじ悩んだり自分に呆れたりする事もあると思うんですよね。
私は女なので男の気持ちは判りませんが…(^_^;)
誰かを好きになる気持ちは男も女も大差ないと思うので!!;


大人故の苦悩と葛藤…みたいなのが書けけたら…と、頑張ってみました(≧w≦;)
私の稚拙過ぎる文章ではなかなか伝わらないかもしれませんが… (T∀T;)
どうにか感じ取って頂けたら幸せです。



ここまで御覧頂きまして本当に有難うございました ヽ(*''▽''*)ノ


それにしても…小説は落書きの100倍くらい載せるのキンチョーするわ(((p''д`q)))
今もどっきどき(笑)









コメント御礼♪

☆ゆきさま
コメント有難うございます!

ゆきさまのような素敵な蔵馬を描かれる方に誉めて頂いて…ぷち蔵馬も喜んでいる事でしょう(^∇^)私もめちゃめちゃ嬉しいです~!!

ぷち蔵馬はもちろんですが、それに振り回される飛影も描いててとても楽しいので、飛影も気に入って頂いているということもとても嬉しいです (。>∀<。)

これからもほのぼの可愛い飛影とぷち蔵馬さんをお届けできるよう、頑張ります!








拍手有難うございます (p*''∀`*q)
幸せな気持ちで一杯です~!!
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プロフィール

舞彩

Author:舞彩
名前/舞彩(マイ)
生年月日/19××年2月3日
出身地/一番人口の少ない県
趣味/飛蔵(蔵飛も少々)のお絵描きやお話し作り。カラオケ。冬限定で編み物。ダイエット(悲しすぎる趣味)
好きなモノ/飛影と蔵馬!!
チョコレート。和菓子。メロンパン。カフェオレ。紅茶。通販雑誌(見るだけってやつ)
嫌いなモノ/カメムシ(殺虫剤で死なない恐ろしい虫!)、カエル、シイタケ、グリーンピース
幽白歴/約22年。昔と変わらず(それ以上?)今もこの作品、そして飛影と蔵馬を愛しています!

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